16年前のマクドナルドは、本当にそんなに安かったのか。
21年乗った車の座席のポケットから、マクドナルドの古いチラシが出てきた。ドライブスルーの客向けの「ドライブセット」で、ハンバーガーにポテトと飲み物まで付いた3人分が1000円。持ち主がThreadsに載せると25万回以上見られ、「良い時代だった」「今じゃありえん」という声が続いたという(ねとらぼ)。
懐かしがる気持ちは分かる。ただ、調べてみると、この1000円は当時でも特売の値段だった。
もとから3割引きだった
ドライブセットが最初に出たのは2009年10月だ。全国およそ1300のドライブスルーのある店で、12月17日までの期間限定だった。Aセットは、ビッグマックとてりやきマックバーガー、ポテトのMが2つ、チキンマックナゲット、飲み物のSが3つで1000円(GIGAZINE、2009年10月21日)。好評で、翌年1月末まで延ばされた(GIGAZINE、2009年12月17日)。
2012年1月にも、同じ名前のセットが出ている。中身は少し違うが、このときの日本マクドナルドの発表には、ふつうに買えば1400円から1470円分の中身だと書いてある。
つまり1000円は、ふだんの値段より3割ほど安い売り出しだった。チラシの投稿には「当時はそこまで安いと思ってなかった」と書いた人もいた。私はこれが半分は当たっていると思う。安かったのは事実だが、安く見せるために作られた値段でもあった。
今なら2個で900円
今の値段で同じものをそろえると、どうなるか。マクドナルドの公式サイトでは、ビッグマックが500円、てりやきマックバーガーが400円である。Aセットのハンバーガー2個だけで、もう900円になる。
ビッグマックは今年2月に480円から500円に上がり、セットは750円から770円になった(Impress Watch)。ポテトとナゲットと飲み物3つを足せば、1000円ではとても収まらない。
80円で始まり、59円まで下がった
そういえば、マクドナルドのハンバーガーの値段は、ずっと上がってきたわけではない。
日本の1号店は昭和46年、銀座三越の1階に開いた。ハンバーガーは1個80円だったという(現代ビジネス)。それが2002年8月には、59円という売り出しまであった(J-CAST、2023年)。1号店から31年たって、始まりの80円より安く売っていたわけだ。
その後は2008年に80円、2014年に100円、2023年に170円と上がり(同)、今は190円である。値段が戻ったというより、59円のほうが例外だったのだろう。
車のポケットに16年残っていたのは、その安売りの時代の終わりごろに配られた一枚だったことになる。私が惜しいと思うのは値段そのものより、3人分をまとめて1000円と書き、車で来る家族を呼び込もうとした売り方のほうだ。今の店は、同じ1000円を一人でどう使ってもらうかを考えているように見える。

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