一晩で1万リットル。前の日に水を入れたばかりの田んぼから、計算上それだけの水が消えていたそうです。米農家の@sesefarmさんがYouTubeに投稿した話を、ほ・とせなNEWSが紹介していました。
犯人は、きれいな穴を開ける
田んぼを見回ると、あぜに穴が開いていた。そばにいたのはザリガニでした。投稿者は「またかよ」と思ったそうです。ほかの田んぼでも同じ被害が出ていて、「どんだけキレイに穴開けるんだよ」とも書いています。
田んぼで使ってよい薬でザリガニを駆除し、土のう袋で穴をふさぐ。ふだんなら1、2回で止まるのに、今年は別の場所からも漏れ続けました。最後は「チョロチョロ」程度まで抑えたところで、そこに時間を使い続けるのはもったいないと切り上げています。
投稿には「モグラじゃない?」という声も多かったそうです。ザリガニがあんなにきれいな穴を開けるとは思わないのだろう、と投稿者は受け止めていました。
昭和2年に27匹
私も、ザリガニといえば子どもの遊び相手の印象しかありませんでした。スルメを糸に結んで、用水路で釣ったという方も多いと思います。
ところが環境省の資料を見ると、あのアメリカザリガニは、もともと日本にいた生き物ではありません。1927年、昭和2年に、アメリカのニューオーリンズから27匹が、今の神奈川県鎌倉市に持ち込まれたのが始まりだそうです。目的は、食用に育てていたウシガエルの餌でした。
餌として来た27匹の子孫が、ほぼ100年で北海道を除く全国に広がった。同じ資料には、水田に巣穴を掘って水漏れを起こすことが、農業への被害としてはっきり書かれています。子どもにとっては獲物で、米農家にとっては田んぼの水を抜く相手。同じ生き物でも、立つ場所でずいぶん見え方が変わるものです。
釣ってもいいが、放してはいけない
そういえば、2023年6月1日から、アメリカザリガニは「条件付特定外来生物」になっています。家でペットとして飼うのはこれまでどおり構いません。ただ、野外に放すことは法律で禁じられました。孫と釣りに行って持ち帰ったら、飽きても元の川には戻さず、最後まで飼うことになります。
ヤフーニュースのコメント欄には、農家らしい対策の話も並んでいました。あぜに厚い黒のシートを埋め込むと長持ちする、昔は毎年あぜに泥を塗り固めて穴をつぶしていた、といった書き込みです。冬の乾いた田んぼで泥の盛り上がりを崩すと、冬眠中のザリガニがいた、という子どものころの思い出にも共感が集まっていました。あぜの泥を塗る作業も、ザリガニを探した冬の田んぼも、同じ田んぼの話だったわけです。

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