話し相手を、3人の中から選べるそうです。20代のあかりさん、40代のみやびさん、60代のなごみさん。3人とも、AIの「職員」です。
大阪府寝屋川市が11月から、AIが電話で高齢者の話し相手になる実証実験を始めると、10月14日に発表しました。市役所の中に、AI職員だけの課「聞きましょ課」を作るそうです。
24時間、時間の制限なし
週刊大阪日日新聞と産経新聞の記事によると、学研グループのGakken LXという会社と市が一緒に作った仕組みです。電話は24時間365日つながり、通話時間の制限もありません。健康のこと、趣味のこと、その日の出来事など、何を話してもいいそうです。
会話の中身は電話番号とひもづけて記録され、次にかけたときは前回の続きから話せる。相手が別のAI職員に替わっても、事情を一から説明し直さなくてよいのだそうです。
使うための電話番号は、市のホームページで公開するとのことでした。
なぜアプリではなく電話なのか
発表の中で目を引いたのは、市長の説明です。スマートフォンのアプリにしなかった理由を、「技術的に可能なものを、あえてアナログ化する」と話しています。高齢の人がAIにふれる入り口にしたい、という考えだそうです。
寝屋川市は人口約22万2000人で、65歳以上が約6万6800人と3割を占めます。高度経済成長期に大阪市のベッドタウンとして人が増えた町で、一人暮らしや高齢者だけの世帯が増えているといいます。
職員が足りない、という事情
もう一つの事情は、役所の人手です。同じ仕組みは、障害福祉課や市立小中学校の電話相談にも置かれます。AIが質問を重ねて相談の中身をはっきりさせ、担当の課や必要な書類を案内する。窓口に来たときは、職員がAIとの相談記録を見て手続きを進める、という流れです。
発表の場では、市民役の職員が「障害のある息子と2人暮らしだが、私が検査入院する。子供をどうすればよいか」と相談し、AIが短期入所(ショートステイ)という制度があると答える場面も披露されたそうです。
市長は、電話にかかる職員の時間をAIに任せ、限られた職員を対面の支援に回したいと話しています。実証実験には期限を設けず、そのまま続ける方針とも報じられています。
気になるところ
話した内容が記録として残ることは、便利でもあり、気になる点でもあります。週刊大阪日日新聞によると、AI電話は、市が福祉の個人情報を管理するシステムとはつながっていないそうです。
利用できる人の範囲や、通話料がかかるかどうかは、今のところ記事からは分かりませんでした。電話の相手がAIだと分かったうえで、気軽に世間話ができるかどうか。11月に始まってからの使われ方が気になります。

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