タイムズカーの3千円と、12年前のベネッセの500円

タイムズカーの情報流出で、お見舞いは3千円。このニュースを読んで、私はまず12年前のベネッセのことを思い出しました。

2014年、通信教育のベネッセから、約2895万件の顧客情報が漏れました。あのときのお詫びは500円の金券です。電子マネーか図書カードを選べて、受け取らずに子ども向けの基金へ寄付することもできました。

500円のあと、裁判で決まった額

話は500円では終わりませんでした。納得しない人たちが、いくつも裁判を起こしたのです。2018年12月には東京地裁が、関連会社に1人あたり3300円の支払いを命じています。ベネッセ本体への請求は退けられました。

お詫びが500円で、裁判では3300円。そして今回のタイムズカーは、最初から3千円です。

安いのか、高いのか

「たった3千円か」と言いたくなります。毎日新聞によると、集団訴訟を準備している弁護士も「なりすましの危険性を考えると不十分」と話しています。専用サイトへの登録は、23日時点で約9万人だそうです。

ただ、会社の側から見ると景色が変わります。3千円に約146万をかけると、およそ44億円。パーク24は対応費用として55億円の特別損失を出し、今期の利益の見通しを440億円から385億円に下げました。

一人あたりなら昼ごはん数回分でも、会社には見込んでいた利益の1割を超える額です。裁判で認められた額に近いところを、先に出しておく。そう見ると、3千円は安いようで、よく考えた数字にも思えてきます。

引っかかったのは、金額より「7年」

パーク24の10月23日の発表を読んで、金額より気になったことがあります。本人確認のための免許証の画像を、会員の間だけでなく、退会したあとも7年間残していたというのです。

漏れた個人情報は、退会した人も含めて662万8007件。そのうち免許証などの画像が外へ送られた痕跡があるのが約146万件で、お見舞いの対象はこの人たちです。画像は暗号化されていてすぐには見られないものの、将来解読される恐れを否定できない、というのが会社の説明でした。

住所や電話番号なら、引っ越しや番号の変更でいずれ古くなります。でも、免許証の顔写真と生年月日は変えようがありません。旅先で一度借りただけで退会した人の分まで、7年も手元に置いておく理由が、私にはよく分かりませんでした。会社も、今後は登録が済んだら画像を持たないことにし、今ある分は10月末までに消すそうです。

心当たりがあれば

会社は、影響のあった人に一人ずつ知らせを送っているとしています。昔のメールアドレスで登録したまま、という人もいるでしょう。タイムズカーの窓口(0120-25-8924、24時間)に電話すれば確かめられます。会社を名乗るメールが来ても、そのリンクからは手続きしないほうが無難です。

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