資さんうどんの「味が変わった」、会社が挙げたのは水の硬さ

74店が、2年で122店になった。北九州の「資さんうどん」である。J-CASTニュースが11月3日に、その急な広がりの裏側をまとめていた。

資さんうどんは1976年に北九州市で生まれた店で、肉ごぼ天うどんとぼた餅で知られる。2024年10月にファミリーレストラン大手のすかいらーくホールディングスの子会社になり、その年の12月には千葉県に関東の1号店を出した。買収のときに74店だった店は、今年10月8日の時点で122店に増えている。

「味が変わった」に、会社は水の話をした

店が広がると、決まって出てくるのが「味が変わった」という声だ。記事によると、週刊誌が長年の客のそうした声を取り上げ、会社は今年2月、公式のXで出汁について説明した。出汁は各店で毎日手作りしていて、経営が変わっても作り方は変えていない。材料や調味料の仕入れ先も変えていない。そのうえで、店のある土地ごとに水の硬さが違うので、出汁の味にばらつきが出ることは認めた。麺のゆで時間を変え、数値で味を調べて、北九州の味に近づけているという。

私はこの説明に感心した。言い訳に聞こえかねない話を、自分から先に出している。同じ材料、同じ作り方でも、水が違えば同じ味にはならない。台所に立つ人なら思い当たる話だが、店がそれを表立って認めるのは、あまり聞かない。

ファミレスの草分けが買った店

そういえば、買った側のすかいらーくも、元をたどれば一軒の店から始まっている。会社の沿革によると、1970年7月、前身のことぶき食品が東京都府中市にファミリーレストラン「すかいらーく」の1号店を出した。資さんうどんが北九州で生まれる6年前のことだ。

ファミレスといえば、どこの店に入っても同じ味が出てくるのが売りだと、私は思ってきた。その会社が、土地の水で味が変わってしまううどんを抱えたことになる。皮肉といえば皮肉だが、だからこそ数値で味を測るところまでやるのだろう。

赤字の中身

記事によると、運営会社の2025年12月期は約3億9300万円の赤字で、今年4月に就いた社長は11月1日付で会長に退いた。今年の国内の出店計画も、50店から30店に減らした。ただ、記事は、赤字は急いで店を増やした費用のせいと考えられ、経営不振とまでは言えない、としている。退いた社長はすかいらーくのレストラン事業会社の社長に移るので、更迭とみるのも無理がある、とも書いていた。

私は、急ぐのをやめたのは悪い話ばかりではないと思う。店ごとに水に合わせて出汁とゆで時間を整えるのは、手のかかる仕事だ。年に50店の勢いでは、そこまで目が届かないだろう。北九州の味は水を選ぶ。店を増やす足取りも、少しゆっくりでいい。

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